ローマは気候変動で滅びたか?」を読みました。私はまだ読んでいませんが、塩野七生さんのローマ人の物語の最終巻が出たことに関する考察が、他のブログで出てきたので、弾さんがそれに反応して書かれているようです。

経緯を簡単にまとめてみましょう。

以下のブログ(raurublock さん)で、「塩野七生の悪いところは「キャラ萌え」の癖があるところです。」と書かれた。
http://d.hatena.ne.jp/raurublock/20070115/1168788415

弾さんは以下のように反応しています。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50740929.html

弾さんのブログを受けて、以下のブログでは「国家萌え」というなかなか面白い表現を使っています。ある意味、塩野さんの作品の性質を一番よく表している気がします。
http://blog.goo.ne.jp/evergreen_1978/e/af60af09d4d41cd47f14a67c69297b1c

そもそも、塩野さんがキャラ萌えになっておかしくなるのは、ユリウス・カエサルを取り扱うときぐらいで、ローマ人の物語や海の都の物語は、割と個人に依らない書き方をしているように思います。とはいえ、raurublock さんの書かれているような視点(環境要因を重視する姿勢)はすごく大切です。最近は、歴史関係は理系と融合することで面白い成果がどんどん出ています。小説にも取り入れていってほしいものです。(もっとも、小説に専門家のような広くて深い分析を期待するのも難しいし、面白くはないとは思いますが。)

どうもローマが滅びた理由というのは、複合的なものが絡んでいて、とてもですが私には説明することができません。この議論で出てきたローマが滅びた要因を以下にまとめてみます。(実際には要因は数え切れないほどあるのでしょう。貧富の差の拡大とか、傭兵制度とか、ローマ市民権の取り扱いとか。)
1. ローマのキリスト教化(by 弾さん)
2. 森林伐採(by 弾さん。でも、最大要因とはみなしていない・・・?)
3. 寒冷化(by raurublock さん)

(1) は、良いときのローマ人(※)であればローマは継続したという考え方になるでしょうか。それとも、他にもっとよい選択肢があり得たということでしょうか。仮に前者だとすると、塩野さんの海の都の物語を読むと感じるのですが、仮にローマ人がローマ人であり続けても永続的には維持できないのが国家というものだと感じます。

(2) とか (3) は、国家の疲弊には影響しますが、国家を滅亡に導くには人の手が必要です。もっとも、本当に環境変化で滅びてしまった国家もあるようですが、ローマのケースは当てはまらないでしょう。でも、国家の疲弊(制度疲弊など)はある意味、国家の滅亡の本質的な要因という気がします。もしかして、(1) もそういう流れで解釈するのかな・・・?

※ スキピオ・アフリカヌスのいた時代でしょうか。それともカエサルの時代でしょうか。ローマが一番よかった時代というのはいつだったんでしょうね・・・?

うーむ、早く最終巻を読まねば。

Posted by あかさた