平凡なエンジニアが未踏ソフトウェア創造事業をやったらどうなるのか書いてみたは、多くの方に読んでいただくことができました。
IPA フォーラムの件で IPA 関連の事業が注目を集めていたこと、スーパークリエータが発表されたこと、IPA 中期計画終了年度による未踏ソフトウェア創造事業の見直しなど、注目を集めやすい状況にあったことがその要因でしょう。何はともあれ、お読みいただいた方に、お礼申し上げます。
アクセス数も収まってきたようなので、こっそり「あとがき」を書きます。
■ 未踏は IPA の回答の一つ
IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージと
IPAフォーラム2007で討論してきたという記事がものすごく話題になっていて、IT 業界は夢のない世界だという認識を再確認してしまいました。OSS 系、ウェブ系、パッケージ系の人などは、「SI=IT 業界じゃない」などと、自分たちは関係ないと発言することに忙しいようです。
とはいえ、SI が情報サービス産業において多くを占めていることも
事実で、普通のサラリーマンとして IT 業界に携わりたい人にとっては、SI 業界は重要な選択肢であることは間違いありません。極論すれば、SIer なんていらないという意見もあり、業界をよりよくするために何をしたらいいのか多くの人が考えているところだと思います。
その中で、どの業界でも難しいのがエンジニアの自己実現です。やりたいことと企業の利益との間にギャップがある中、どのようにすればより自分にとって価値のある仕事ができるのか、日々悩みながら仕事をしている人も多いでしょう。すでにやりがいのある仕事に囲まれて、「オレのようになれ!」と発信している人もいます。
ひがさんの IPA フォーラムの講演もまた問題の多いこの業界の中で、エンジニアがどのような戦略をとったら良いのかを指南する良い例でしょう。この記事そのものは、会社という組織に絶望したくなる内容なのですが、はたして会社というものはそんなに夢のない組織だったのか、少し考え込んでしまいました。こちらの
資料(PDF)の「2.3.8 売上高研究開発投資率」によると、8 割以上の企業が 1% 未満になっており、技術開発型のエンジニアは生存できない生態系になっていることをうかがわせます。
こうした状況に対する IPA の回答の一つは、未踏ソフトウェア創造事業であったのだと思います。本当は、このような種類の事業は(未踏のように極端である必要はありませんが)民間がやるべきことなのですが、現在の IT 業界ではそのような意識を持てている会社はあまりないようです。未踏の応募者のうち、サラリーマンは 3 割(2006 年度下期)程度しかおらず、学生もしくは研究者の方の制度になってしまっているようです。
残念極まりないことですが、とにかく業界全体がこういうものにチャレンジする土壌がまだまだできていないということでしょう。
■ この記事は「つまらない」
記事をお読みいただいた方には「あれ、意外とつまらないな」と感じた方もいるんじゃないかなと思います。そう、つまらないのです。自分が飛び込まなければ。
■ もっと上昇指向な人向けの「いい記事」
さて、「平凡」ではなくもっと上昇指向の人もいると思います。そういう方は、
hyoshiok 氏の記事がお勧めです。詳細度も私の記事を上回っており、何より面白いです。
未踏ソフトウエア奮闘記
未踏ソフトウエア奮闘記 前編(上)
未踏ソフトウエア奮闘記 前編(下)
未踏ソフトウエア奮闘記 後編(上)
未踏ソフトウエア奮闘記 後編(下)
■ 記事を書いてみて
あー、大変だった。