朝日新聞のテレビ CM で、ドビュッシー作曲「ピアノのために」第二曲「サラバンド」が流れていました。この曲に銃声が響くと、本当に救いようのない「何か」を感じてしまいます。

サラバンドとは、バロック時代に良く使われた曲の形式で、元々は舞曲だったようです。ドビュッシーは今世紀初頭の作曲家なのでバロック時代より 100 年以上新しい印象派に属しますが、しばしばバロック時代に流行った形式の曲を書いており、この曲もそういった曲のうちの一つです。もっとも、形式が古くても響きがぜんぜん新しいので、私のような素人にはどこに共通点があるのか良くわからないのですが。

さて、「ピアノのために」はドビュッシーが実験的な意味合いを込めて作曲したものらしく、「月の光」や「亜麻色の髪の乙女」などがドビュッシーと思って聞くと、仰天してしまうような曲が含まれています。(第一曲目は、和音の連打にグリッサンドの連続というド派手な曲なのです。)

ドビュッシーのサラバンドは深遠で美しい響きを持った「じっくり聴かせる」曲です。テレビ CM とはいえ、この曲を聴いたのは久々だったので、思わず楽譜を引っ張り出して自分でも弾いてしまいました。いい曲だ・・・。

Posted by あかさた
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